2015年2月23日月曜日

「雑多なアウトドアギア達」


「バックパック=アウトドアで必要な道具を背負って運ぶ道具」という当たり前の話で終わった前回ですが、ではどんな道具を背負うのでしょうか?

例としてテント泊1泊想定の山行道具を並べてみたのがこの写真です。


いやあ〜、本当にいろんなモノを背負うもんです。
ここでは一つ一つの説明は割愛しますが、衣食住すべてに関する道具達です。
これらをBACKPACKLABO的に分類をするならば...

「柔らかいもの」 = テント、シュラフ、ウエア類... = 布製品
「硬いもの」 = コッヘル、火器類、ポール、ライト... = 金属製品

といったところでしょうか?(かなり強引ですが)
そしてこれに食料や水、身の回りの小物が加わります。

では、別の例として小学生が通学で背負うランドセルの中身も見てみましょう。


いやあ〜 懐かしいモノが溢れています!
見ての通り、こちらは教科書とノート、プリントなど、四角い紙類ばかりです。
これに加えて、体育着や上履き、縦笛なども持ち運ぶわけです。

ではこの二つの違いは何でしょう?

そう、ランドセルはサイズ感や素材感が近いモノを入れるのに対して、バックパックは種類も機能も形も質量も違うモノを入れます。しかもランドセルは片道せいぜい20分くらいの使用時間なのに対し、バックパックは1日数時間も背負わないといけないため、重量バランスも大切になります。また道具の使用頻度はそれぞれ違うので、取り出しやすい位置に収納する必要もあります。

つまりバックパックはこれらの「雑多なアウトドアギア達をいかに楽に背負うか?」という永遠の問題を背負わされた道具なのです。
一目では理解しにくいバックパックのデザインですが、すべてはこの問題を解決するための機能的デザインなのです。

もしもテントもシュラフもコッヘルもすべてA4規格に統一できれば、バックパックはランドセルのようなデザインになるかもしれませんね(笑)


    次回はバックパックに備わる機能について話を進めたいと思います。



2015年1月4日日曜日

「モノを背負って運ぶための道具」

まず「バックパック研究所」としては「バックパック」というプロダクトについて語らねばなりませんね。とりあえず簡単な話からはじめましょうか。

アメリカでは「バックパック」ヨーロッパでは「リュックサック」と言われているこのプロダクト、簡単に言ってしまえば「モノを背負って運ぶための道具」です。

ではどんな「モノ」を背負うのか? それによって求められる機能は変わります。

例えば...軍隊が使う背嚢は個人装備や弾薬などを背負って何日も行軍する機能が要求されます。

例えば...歩荷が使う背負子は山小屋で使う食料や日用品をドッサリ積む機能が要求されます。

例えば...ビジネスマンが使うリュックはノートPCや書類を整理して運ぶ機能が要求されます。

例えば...ママさんが使うベビーキャリーは赤ちゃんを安全快適に背負う機能が要求されます。


例えればキリがないのですが... 背負う「モノ」によって機能が変わり、デザインや呼び方も細分化しているのがわかると思います。

つまり、ここで研究する「バックパック」はもれなく「アウトドアレジャーで必要な道具を背負うための機能」が要求されているわけですね。

とりあえず今日はココまで!








「BACKPACK LABO 」はじめます。


このブログは名前の通り「バックパックの研究所」です。

バックパックデザイナーとして約20年、さまざまなアウトドアブランドの商品開発に携わってきた経験を生かして、世に溢れるバックパックの機能やデザインを解読し、「バックパック」というプロダクトの魅力をより多くの人に伝えたいという思いで立ち上げてみました。

アウトドア初心者にもわかりやすく、自作派にも役立つようなマニアックな内容にしていきたいと思います。このページをきっかけにしてアウトドアの楽しみ方が増えたり、バックパックデザイナーを目指す人が出てきたら、これほど嬉しいことはありません。どれだけ更新できるかわかりませんが、どうぞよろしくお願いします!